プロジェクトの概要
プロジェクトの目的
新型コロナウィルス感染症による飲食店事業者等の青果取扱需要の低迷による、仲卸業者や生産者等の売上縮小や販売機会減少を解消すべく、近年のSDGsやみどりの食料システム戦略に基づく今後のマーケット拡大による収益増が見込める新たな領域の有機農産物分野を大田市場を活用した、実需者に向けた、特に有機農産物を新たに普及していくための取り組みを実施する活動を目的としています。
有機農産物物流における課題
有機野菜を広く普及させる上で、大きく分けて3つの課題があると考えています。この中で、本協議会では大田市場に全国から集められた有機農産物の「商流面」(広く小売店に配荷する・消費者が目につくようにする)と「価格面」(消費者が買い求めやすくする)について対応策を協議していきます。
物流面:宅配中心のコスト高な物流の改善
多くの有機生産者は生産規模が小さいため1回の出荷量が少なく、一方で仕入側も小規模の有機専門店が多く、少量の注文になりがちなため、宅配便による物流が中心になっています。慣行栽培の農産物に比べて物流コストが割高になるため、より消費者が購入しにくい状況に陥っています。
商流面:消費者が買い求める、スーパーなどにおける有機農産物購入の環境づくり
消費者が有機農産物を買い求める場所としてスーパーマーケットを想定している一方で、生産者は有機専門業者や消費者への直接販売をイメージしており、消費者が買いたい場所で販売されていないというミスマッチが起きていると考えられます。
価格面:有機以外の慣行農産物を含めた、農産物全体の価格適正化
有機農産物の更なる普及を実現するためには、低迷しがちな慣行栽培の農産物の価格についても合わせて見直す必要があります。需要と供給のバランスで価格が決定される市場流通を見直しつつ、新たな仕組みを取り入れるべき時期にあると思われます。
推進体制
大田市場内の小業者で協力し協議会の設立を実施しました。また、小売業者の協力と有識者による協力を得て対応策の協議・推進をしてまいります。
協議会
会長 | 本多 諭 | 株式会社大治 代表取締役 |
理事 | 二宮 涼太郎 | 株式会社丸鐵 代表取締役 |
理事 | 林 政一郎 | 株式会社ハヤシフルーツ 代表取締役 |
理事 | 御供 講之 | 国分フレッシュリンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 |
理事 | 吉村 誠晃 | 株式会社松孝 代表取締役 |
監査 | 木村 吉弥 | 一般社団法人日本食料連携機構 常務理事 |
事務局長 | 山口 大樹 | 株式会社大治 |
構成員
スーパー・小売店各社に参加いただいています。
外部専門員(有識者)
折笠 俊輔 | 公益財団法人流通経済研究所 主席研究員 |
木村 吉弥 | 一般社団法人日本食糧連携機構 常務理事 |
島崎 眞人 | 一般社団法人日本農林規格協会 専務理事 |
吉澤 達雄 | エコサート・ジャパン株式会社 代表取締役社長 |
木村 匡秀 | 一般社団法人全国スーパーマーケット協会流通支援課 主任 |
上原 英一 | エフピコチューバ株式会社 第2営業本部本部長 |
ご挨拶
有機JASの表示が定められてから20年以上が経過しましたが、現在も有機農産物が十分に普及しているとは言い難い状況にあります。
農林水産省は2050年まで有機農業の取組面積を25%にするという目標を掲げていますが、そのためには「物流」「流通」について見直しをする必要があると考えています。
市場の物流インフラを活用することで、宅急便に頼りがちな物流を改善し、市場で仕入れをする多くのスーパーマーケットに提供することで、消費者と有機農産物の距離を縮めることが普及拡大のポイントになります。
本協議会においては、市場関係者、小売店そして、知見を有する多くの方々の知恵をいただきながら有機農産物の流通拡大に貢献いたします。
大田市場活用型有機農産物新流通プロジェクト
会長 本多 諭